リサーチつれづれ - 古書店の灯り

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最近の自分の中での注目にコーヒー、クラフトビール、そして古書がある。
と言っても、あまりにも前々から好きなものばかりでもあり、あたりまえだったものに対して
周辺が増して、注目しているから逆にこれまで以上に気になりだしている。

古書といえば、このところTVドラマにもなった、ビブリア古書堂の事件手帳
なんてのもあったが、前回のブログにも書いた"ふるほんばし" でも
注目していた、近所のセンス良さが高い古書店のドリスさん。
こちらに行ってきました。前に一度立ち寄ったときは、なぜかかっこ良く感じ過ぎて緊張のまま
さらっと一冊買ってそそくさと出てしまったが、ほんとにセレクトと雰囲気がステキで
古書特有のインクの香りも若干弱めなのか、落ち着いて過ごせる店内。

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近所にお店が出来てまだ1年たってないと思うけど、まず惹かれたのが
照明。惹かれてというのは大げさかもしれないけど、蛍光灯むき出しの
居抜きっぽいところをそのまま使っているお店が多い中、ドリスさんは
ちゃんと、蛍光灯を電球色に替えて使っていた。
だから店内がとても暖かみがあってつい、入りたくなった雰囲気なのです。

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そのセンスに、どんな方がやっているのかと思い、
行ってみてお話しをしてみたくなったのです。するとデザインやアートについてのセレクトが
特に良くて、他もちろん多岐にわたる分野のレイアウトのこだわりもあり、
確かにいろんな知識もあって、なるほどと !

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照明の話に戻すと、そんな蛍光灯の電球色はそのままでよいのだけれど、
私は今回、簡単な実験を無理言ってやらせてもらった。
ちょうど、店主の奥様が入り口まわりの照明になにかアクセントが欲しかったという
タイミングもあり。
本屋さんっていうのは、いろんな個性があって良いと思う。店主の
好みや理想がそのまま表現されて。それが店内の空気に反映されているのを感じる。

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ただ、今回初めて直接いろんなお話を聞いていると(あっという間に3時間くらい!)
純粋に独自の方向性をもっていらっしゃることが良くわかり伝わってきた。
それは、自分にとってもすごく共感するところでもあって。
本屋さんは、ある意味土地勘や地域に根ざした思いも併せ持っていてという当然なる
先入観があったりするけど、周辺に対して流されるのではなく
さりげなく地域と溶け込みながら、でも目指している場所はそこの地域だけではなく
日本全国であり、さらにグローバルであってしかりなのだと。

上記看板には、できたら本屋さんであるという目印であっほしい。だから
光を当ててみた。(12:00〜20:00まで営業)
印象は歴然。

その他冒頭から看板の前までの写真はすべて、実験的にそこにない光で
今回私がライティングしてみたもの。
(なので、実際のお店にはこの光ではありません)

実は数日前に、とある物販店の照明をすべてLEDの3000k(白すぎず赤過ぎない程度の光色)に替えた実例がある。
そこで感じたのは、明らかに私側では違いがはっきりとわかるんだけど、
お店側の人にとっては、照明を替える前と違和感なく自然に雰囲気変わらず
前からそこにあったような光りに感じてもらえること。これが施した側にとって
、うれしい結果だったりする。

だから、今回こちらの古書店で実験させてもらいながら見てもらったとき
違いがわかるんだけど、空気はそのままだね。って思ってもらえたことが
うれしかった。

そう、こうしてひとつひとつ、身近なところで照明の良さや空気を伝えていけたら
とつくづく思うのです。

古書ドリスさんでは、これから新刊も併設で、少し小物・雑貨も販売していくということ。
これからがとっても楽しみである。

古書ドリス
http://www.kosyo-doris.com/
open 12:00 〜 20:00
close 水曜日
# by htani1223 | 2013-04-14 00:41 | デザイン(照明)

休日散歩 "ふるほんばし"

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清澄白河に在住3年目、いろいろな風景に出会っています。
このへんを含む深川地域では、季節の様々な催しがあって、なんとも風情があり
休日はとても心地よい空気が漂っています。
季節は3月春が近いこのごろ、"ふるほんばし" というアート本はじめいろんなジャンルの
古本たちが集まるイベントが始まっています。

資料館通りには、もともとアート本の古書店もあり、そこを含め最近オープンした
センスある古道具と本の店なんかもあり、現代美術館が4月までメンテナンス休館でちょっと
寂しいこの時期を"ふるほんばし"で盛り上げていました。

すこしまわってみようと、立ち寄ってみたら・・なんとも私の大好きな分野の
本がたくさん! 二軒立ち寄って、三冊をあっという間に購入。

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食べもの系と落語系・・(笑)
ふるほんばしにも参加している、ババグーリに寄りマフィンを購入。
お茶しながら、戦利品を眺めてます。
ふだん、本屋さんには行って、新刊や話題の本は目に入ってくるものの
古本というのは、新刊などのそこにはない時間を経て届く、発見でもある。
以前に出版されたもので、時間が経っているのに、いま手に取ってその時期を
懐かしいと思うだけではなく、時間を経た今だから、今の自分にだからこそ
気づかせてくれるメッセージが詰まっているような気もする。
そう思うと、古くて新しいお宝なのかもしれない。

ふるほんばしの会期中は、トークイベントも開催されているよう。
うちの近所に最近でき、古書ドリスさん。セレクトがとてもセンスがあって
気に入っているお店なんだけど、こちらのドリスさんがトークされるイベントも。
テーマがとても興味深く、早速申し込んでしまった。
いまからとても楽しみ。

ふるほんばし
は3/24まで。
# by htani1223 | 2013-03-16 21:27 | つれづれ

3月3日と久々に着物

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最近は桃の節句の3月3日っていうのを意識せずに毎年過ごしているような気がします。
特にイベントごとがなければ、どうしてか通り過ぎてしまう、そんな伝統の暦行事。
女子に生まれて、小さい頃おひな様を段飾りで買ってもらえなかったからでしょうか・・笑。

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でも、お内裏様とお雛さま。このふたつさえあれば、なんか嬉しいものです。
この小さな一刀彫のおひな様は、今日ご一緒した方のもの。

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今日は、両国橋ふもと近く、浅草橋最寄りのルーサイト ギャラリーへ。
古民家を素敵にギャラリーにリノベされているこちらは、隅田川目の前で
スカイツリーも大きく見えるロケーション。
こちらで、DOUBLE MAISONの早春クローゼット展があり、お邪魔してきました。

お庭に飾られた着物は、梅の花をバックに黒猫ちゃんもじっと見つめる中、曇り空の下
とても鮮やかに映えていた。

どちらかというと、正統派の着物姿よりも、よりカジュアルに着物を身近に着てほしいという
雰囲気から、洋服の感覚の提案のよう。
KIMONO姫も何冊か置いてあり、なるほど〜というかんじ。

そういえば、しばらく着物を着ていない。。
今が一番袷の着物が着やすい季節であるのに。
いけない、、
もっと身近にこんな提案があるのだから、木綿や絣の紬なんかを気軽に着て
でかければよいのだ。

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ルーサイト ギャラリー
こちらは、とっても着物もぴったり合う空間。昭和な雰囲気が漂う川面が近い気持ちよい
場所。

桃の節句、3月3日は、女の子の成長を祝い日である。
女子に生まれて、ささやかながら、いくつになっても
こんな素敵な暦行事を楽しんでみるのも良いではないですか。
来年は、ぜひ着物を着て3月3日を過ごしてみたい。
# by htani1223 | 2013-03-03 22:29 | つれづれ

金継ぎのこと

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実は約5年ちょっと前から始めたことに、金継ぎがあります。
やはり、意外にビックリされます。
いや、自分でもこんなことをするとは思いませんでした。

きっかけは、私が習っている金継ぎの先生である伊藤和江さん。
彼女の追っかけだった私、最初は伊藤さんのレストラン、kuhのファンだったことから。

kuhは、以前青山にあった体にやさしく美味しい玄米食のレストラン。
スチームキャベツや、ほんとに一度食べたらとりこになる、ストイックすぎないご飯屋さんだった。
入っていた建物の老朽化、立て替えでやむなくクローズになったが、そのあとCLASKAのkiokuの料理監修に入られたり(現在は替わっています)、フリーランスで食のプロデュースをさまざまなスタイルでされていた。料理教室もやっていて、私もその食のレクチャーが大好きで、お味噌つくりや乾物の教室など毎回魅力的な内容に足しげく通っていた。
しかし、伊藤さんは金継ぎの教室も長くやられていて、「食は器から大事なこと」
と言われた記憶があり、実はあまり興味と関心もなかった金継ぎに恐る恐る伺ったのがはじまり。
もともと、陶芸やガラス細工のような工芸ごとは見たり、それを使うことのほうが好きで、手先な不器用な私には絶対ムリ! って思っていた。
最初の写真↑は、始めたばかりのときのもの。

しかし、これがハマってしまったのです。
予想通り、不器用なのでなかなか上達はしないまま数年過ぎたが、
挫けることなく続いている習い事かもしれない。

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教室は、毎回約3時間以上の内容だけど、これが・・・まるで1時間くらいに感じる
くらいあっという間。
そして、この作業の工程をしている間、なにもかも無くなるくらい心が空っぽになるほど集中して
いる自分に気づくのです。
精神統一になるというか、なにかいろんなことが頭に浮かびだすと、やはり金を継ぐときの筆がゆるんだり
失敗したりする。

上記の写真は、最近のもの。
ほとんど割れは無くて、欠けたくらいのもので、ヒビだけがいっぱいある器。
骨董屋さんから以前金継ぎ用にといただいたもの。
このヒビに貫にゅうと言って、金をいれていく。
けっこう大変。だけどどんどん見違えるように表情を変えていき、その器が愛おしくなっていく。

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これも、骨董屋さんからもらった小さな杯。
金継ぎって、なんか古くさい感じと、和風なイメージがあったけどこれが不思議 !
洋食器や陶器だけではなくガラスにもできて、これが無国籍的にしっくりきて
面白い相性なのである。

伊藤さんは、金継ぎは器の身だしなみと言う。
モノを大事に、愛着ある器をずっと長く使っていくためへの手法でもある。
私にとっては、もちろんそうでもあるけれど、自分自身への精神メンテナンス。
心の乱れ、気の迷い、日々追われている中で自分が自分に向き合う大事な時間でもある。
こういうことは、さまざまな形でやれることはあるけれど、なによりも美味しい料理
、食べることが大好きな私にとって常に身近な器に施せる金継ぎはなによりも代え難い
ことかもしれない。

他にもこれまで徳利やパスタ用の洋皿も金継ぎをやったことがあるが、その後新しい表情
に生まれ変わって、側にある。
なかなか、定期的に教室に行けてないけれど、いつでもタイミングがあったとき
変わらず迎え入れてくれる伊藤さんに感謝。
ずっと続けていきたいことのひとつ。
# by htani1223 | 2013-02-24 15:03 | つれづれ

アルテミデのトロメオ

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最近、照明を買いました。
アルテミデのトロメオのフロアライト。

トロメオのクリップタイプはもう7年くらい使っていて、愛用しているが
今回縁あって、前から欲しかったフロアタイプを思い切って・・!
届いたときは、もうワクワクで梱包をあけながら点灯するまでがドキドキ。
仕事では、照明プランに入れたりしていて身近なトロメオ。
フロアタイプはよくネイルサロンなどの空間にも提案したことがある。

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トロメオの好きなところは、灯具部分のランプシェードがスムーズにいろんな向きに
変えられるところ。このツマミ部分がまたセンスあるデザイン。
そして、こんなふうにアートフレーム(広川泰士氏の写真ひとつ持っている!ささやかなジマン)
にピックアップしたり。
おすすめは、真正面からど真ん中に当てずに、少しズラしてみるのも
ひとつの提案。

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照明を楽しむのって、そんなに難しいことはない。
私の小さな部屋にもお気に入りがあり、恥ずかしいが
約8畳〜9畳ほどのダイニングキッチンなんだが、そこのコーナー
部分に置いてみたトロメオ。
壁面に当ててみると、この広さの空間全体にほどよく柔らかい明るさが広がった。
そう、いわゆる「間接照明」である。
W数は、たしか60Wの白熱球。
調光してもよいかもしれない。
その場合は、ルートロンのクレデンザを。

トロメオは思うに、シャープでミニマルなモダン空間にも、ソフトで素朴なナチュラル系な空間
そして、折衷な空間に合うのです。
私のような、ゆるくてどこか緊張感の無い性格の人間(?)の身近にも
ちょっとセンスある空気をつくってくれる。

良い買いものをしました。
照明の仕事をしているからといって、オンもオフもそんなに
照明にこだわりを持つようなライフスタイルではないのは事実。
でも、こんなアイテムひとつで、居心地のよい時間がつくれるのです。
アルテミデのトロメオはおすすめです。

さいごに、最近の気になるライトアップのショットを。

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去年仕事で関わったレストラン、CICADA
こちらの外部、少し今年に入り照明、手を加えました。

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住んでいる、近所の隅田川テラス
夜に歩くのはめったに無いのだけれど、たまたま最近
帰りに降りてみたら、外灯の光が壁面に当たってるのだけど
パーゴラのツタのような植栽を通した光の影がなんともいえず複雑で
そのままアートに見えてしまった。
早朝・昼間・夕暮れ・夜 と隅田川テラスはそれぞれに
表情がある。
水面の近くは、なんだか歩いているだけで気持ちが研ぎすまされて行く
場所だ。

夜の隅田川は橋のライトアップや街の光が反射してまた独特の
漆黒の世界でしたよ。
# by htani1223 | 2013-02-17 23:52 | デザイン(照明)