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AI WEI WEI 展のこと

もう終了してしまったのですが、10月に行って来ました。
とても印象的な展覧会でしたので残しておきます。

AI WEI WEI アイ・ウェイウェイ展 

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中国の現代アートの中心人物というアイ・ウェイウェイ。

最初に会場に足を踏み入れた瞬間から斬新な驚きでした。
それは匂いから始まったのです。

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お茶の葉だけで固めて作ったキューブ。
とっても深い中国茶の良い香りが漂っています。

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一粒の真珠という作品。

一粒だけの真珠を目の前にしたとき、それはとても貴重で高級なものへの憧憬
としての気持ちが現れます。
しかし、それが大量に盛られた真珠をみたときの憧憬の気持ちは希薄になります。

しかも養殖の真珠という人工のものと知ったときは、ある種カタチとしての美しさ
への憧憬と心象変化が現れるという、シリカルな見方。

全体的に、普遍的な題材をあつかっているのですが見る角度、考える角度を
変えて表現している作品が多いです。

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武装していた時代、中国の歴史のなかには刻々と現代までの間に
さまざまな戦いのときがあります。
その戦いで用いられていた武器の一部と、中国古来からの伝統素材である
ウォールナットの木材を組み合わせた作品。

なにをメッセージとして伝えたいかは、見る人感じる人それぞれだと思います。





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とても高価な骨董の壷を惜しげもなく割るさまを写真作品のなかに
表現。 カタチあるものの儚さと一瞬にしてその価値が消えていく瞬間を
潔く表しています。

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彼の作品には連続性から見えるなにかを別の価値、または形として
表現しています。

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これも中国の典型的な家具を連続して見せていくと、真ん中の丸い穴が
遠めに奥まで見ると、月の満ち欠けに見えてくるというもの。

他にも、中国がいま猛スピードで都市として変化し、世界の中に大きな
意思表示をしていっている様をシニカルに表現している
ように見えました。
近代的建造物の裏にひそむ、スラム街や
空洞化した地域の閑散とした風景を多くの写真作品で見せていたりします。

私にとって、とても響いたメッセージがありました。

「西洋の美術から学ぶだけではなく、自分たちの日々の経験や自分自身の考え方を
検証し批評する必要がある。根本的な存在の基盤や心理状態を問うこと。これが
知性の本質であり、芸術の本質である」 

私なりの解釈ですが、

デザインという世界があります。
日々私はその一部の世界の中に身を置いて
仕事、あるいその中のさまざまな人たちとの交流を通して生きています。
でもときに、息苦しさを感じたり、劣等感に苛まれたり、喜怒哀楽をひんぱん
に気持ちの中で繰り返したりしているのが現実です。

しかし、デザインというものは批評されるに値するものでありそれが
常に客観的にいろんな角度から観察していくものだと思うのです。
決して欧州の優れたデザインのものへ敬意を表した模倣や、インスパイアされた
ものから生まれるものだけが評価に値するのではなく、自身の中にある
いろんな心象風景から生まれるもの、自身の生き様から自ずとあふれてくる
ようなものから形成されるもの。
形になるものだけではなく、自分の伝えたいこと
表現したいことへの方法はかなり無限にあるのだということを、この展覧会、
アイ・ウェイウェイから学んだような気がします。


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* 撮影および掲載写真は「クリエイティブ・コモンズ表示、非営利、改変禁止2.日本」
ライセンスでライセンスされています。
by htani1223 | 2009-11-15 01:58 | デザイン(全般)
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